結婚難と少子化に付いてで
日本では近年中に人口の減少期に入ると見込まれています。それも高年齢層が大きく・低年齢層が小さい年齢構成のまま、全体として減少して行く形です。
これは新生児数が少ない為です。もしこの減少が微小で進む緩やかなものに納まらないと、国家や社会の活力を弱めて行き、家族も変質させて行くでしょう。ここで対応を誤ると、日本も深刻な人口(国民)問題を抱え込み兼ねません。
さて現在の人口を維持するに必要な新生児数は、女性100人に付き208人とされています。しかし現実には138人まで低下しています。この児数の差が持続すれば、明瞭な人口減少が起きて来ます。
そこで低下の原因を求めると、日本人(日本民族で日本国民の人)の未婚化(結婚しない人の増加。なお未婚で二人以上の子供を持つ母親はほとんどいない)、晩婚化(出産を抑制する)、早期離婚(出産前か一児のみで離婚する)がまず挙げられます。新生児数から見ても、正常な意味での結婚が成り立ち難くなっているのです。
但し、30歳位までに結婚し・10年以上生活を共にしている女性で見ると、児数は200人程度にほぼ保たれています。
今日、日本人が結婚しない、及び遅れる理由は様々に伝えられています。本人たち自身も語っています。これらの見解は一見もっともであるかの様です。
そこで政府や自治体も、未だ成果が上がっていないにせよ、幾つかの対策を考え、予算もつぎ込み始めています。
果たして今日の日本人は、結婚への期待や願望が小さいのでしょうか。私は大きいと思います。
本人の語る表面的な言葉上ではともあれ、内心は結婚と家庭を求めているのです。では、なぜ、この気持ちが実際の結婚と結び付かないのでしょうか。
私はこの疑問に付いて、日本の各地で生じている、日本人と外来人(来日している他国民で異民族の人)との結婚に関連した事件を通して、見て行こうと思います。
私の国際困り事相談にも、日本の男性と女性から交際・結婚・離婚・養育などに付いて、多くの相談が入ります。この相談により理解した内容から見ても、近年、不可解な「結婚」話が多数あります。
一方は日本男性と、大半が不法・不正在留で相手をよく理解し難い外来女性との「結婚」話です。他方は日本女性と、同様な外来男性との「結婚」話です。
日本男性の年齢は35歳位を中心に20歳から55歳位まで、日本女性は30歳位を中心に20歳から45歳位までと広がっています。
外来女性は中華(大陸)・フィリピン・タイなどを中心に多くの国へ及びますが、南・西アジアのイスラム教圏は有りません。年齢は20歳前後から35歳位までです。外来男性はアメリカ・中華・イラン・パキスタン・ケニヤなどを中心に世界の各国へ及んでいます。年齢は20歳過ぎから40歳位までです。
日本人に付いてですが、本人たちは通常で有り得ないはずの「結婚」話に乗ったり、実際に「結婚」しているのです。
そこで、なぜ「結婚」したい(した)のかを聞いてみると、実に軽率かつ無謀な成り行きと共に、「結婚」を決意した理由が出て来るのです。
理由は日本人同士で結婚に到らなかった事情と反対側に有ります。その当時だけだったにせよ、本人は日本人を相手に得られなかった「心のときめきや充実感」などを持っています。いわく、女性の優しさに浸りきるとか・男性の力強さのとりこになるとか、ともあれ異なる性に引き付けられているのです。日本人相手に持っていた「良い人が居たら結婚します」の様な理屈、つまり歪んだ言い回しが消えているのです。
幾つか例を挙げましょう。
例一)、富田氏は現在40歳、ある会社の課長補佐をしており、「妻」と「二子」がある。家は借家だが、会社の補助金も有り、生活的には安定している。彼が酒場で働いていた30歳位のフィリピン女性と知り合ったのは6年前、この1年後に彼女が妊娠したのをきっかけとして「結婚」へと到る。3年後には第二子も生まれて、はた目にはまあまあの家庭生活と見える。
しかし後で分かった事だが、「妻」には本国に実夫と子供がいる。当然フィリピンでの「婚姻届」は不実(ニセ)書類である。かつ日本での第一子も、彼女が掛け持ちで交際していた別な男性の子供であった。
事実を知って彼も思い悩んだが、結局、騒ぎ立てない事にした。「結婚」の前後、彼女はすごく優しく尽くしてくれたし、今も「夫」をそれなりに大切にして、子供の面倒も見ている。かつて、日本女性との結婚話で、彼女たちの条件が高くて、相当に苦労したとの思いもある。結婚のやり直しへは踏み切れない。
彼は彼女に「結婚」前も交際の都度お金を上げていたし、後では毎年100万円以上を実家側へ送金している。彼女も「離婚」して、今さらお店へ出たくはないらしい。二人には一種の妥協が成立している。
さて、フィリピン「妻」との「離婚」は4分の1を超える(北大・奥田氏資料。なお5分の2を超えるとの資料も有る)そうだが、それ以上に多いのが、この例の様な「結婚」の継続だと思われる。
それにしても、口にはほとんど出さないが本音は結婚したいと言う日本男性の心情を読み込んで、彼らが夢中になる様にと進めて行く能力は大きいものがある。彼女たちは親族や仲間たちと協力し合ってお金の為に努力するが、他方、女性として育てられ素直に受け入れて来た、本性的なものも持っている。今日の日本男性に対しては、大きな強みである。
例二),高池氏(53歳)は二年前からお店で知り合ったタイ女性と交際し、現在は同居している。彼女は本国に、別れた前夫と親族に預けた子供が居るらしく、送金しており、現在は不法在留中、28歳ぐらいで特に魅力的とも言えない。
氏の妻は50歳、それなりに夫や子供を大切にしており、特に落ち度も無い普通の主婦である。氏はかつて2・3度他の女性と遊んだらしいが、その場限りである。自宅も有り、大手企業の課長をしていたが、彼女へお金を渡し続けた為に借金をする。退職金で返済した後に家を出た。今は小さな会社に勤めて、彼女へ渡すお金と二人の生活費を賄っている。
氏は女性がこんなに良いものだと知らなかったと言い,優しくて良く気の付く振る舞いをする、彼女へ夢中になっている。恐らく、彼女もお金をもらうからと言うだけで無く、女心そのものから・自然な女性の本性から、氏に接して居るのだろう。これが氏から見れば、「一途に男性へ奉仕する女性」と写っているらしい。
今日の多くの日本女性から見ると、自立心や平等観の少ない・古い感覚の女性に見えるかも知れない。しかし彼女は特に作為もせず、自分が育ちの中で身に付けた、女性としての作法のまま、素朴に氏と向き合って居る。氏はこれまでに日本女性から得られなかったものを、人生の後期にして得られたと感じたのだろう。但し一時の夢であろう。
例三〉三田君(23歳)は高校卒業時から働き始めて五年、両親と同居しており、妹も居る。一年位前からお店で働いているフィリピン女性(22歳位・不法在留中)と親しくなる。彼はお店が借用した彼女の部屋へ、週に何回か通いながら交際している。
彼は日本女性との交際(性的体験)も有ったが、何時も気遣いが必要な為、楽しさよりも気疲れが大きい。しかし彼女はすごく優しいし、親切で面どう見も良い。相手をくつろがせる接し方で、彼の望む事も推し量ってくれるので、何時も楽しいと言う。
彼女は18歳位から何回か日本へ来たらしいが、既に女性としての振舞い方でも大人である。普通に有している心配りが、男性に対する自然な奉仕感覚的なものと結び付いているので、屈託も無い。作為と本気が分離していない強みでもある。
さて彼は結婚を決意して、単身でマニラへ行ったが、彼女の側(両親など)は大賛成。そこで彼の両親は不承知だが、結婚手続きを進めたいと言う。既に正常な判断力を失ないかけている。
ところで彼女は国元へ送金しているし、彼も会う度に小使いを渡している。そして結婚後も送金が当たり前だから、彼の収入では遠からずNo
money No honeyとなるだろう。(もっとお金の有る男性へ乗り換えるように、親族が要求する場合も多い)
例四)山下さんの妹は両親と同居中、短大卒業時から会社へ勤めて10年、30歳になる。彼女は幾分勝気で話も上手、見合い話を好まず、「恋愛」でも
主導的に行動する、いわゆる「男女平等」派で「自立した女」の感じだと言う。
彼女は一年位前から、不法在留中のイラン男性(30歳位)と交際を始め、やがて彼の所へ入り浸る様になる。その頃から様相が異なり、彼へ一途に奉仕するの感が有る。炊事や掃除などに努め、預金も彼の為に引き出し始める。
彼の「一時帰国」に合わせて結婚を決意し、親の同意を得られないまま、書類一式を持ち、会社へ休暇届を出して、彼と共にテヘランへ行った。そこでは親族に会い、二人で役所へ行き、結婚届を出す。しかし不受理で出国命令を受ける。彼は真実を隠しているようだが、第一妻の反対・不法就労目的・その他の理由が有るらしい。
日本男性へは強気だった彼女も、彼の求めるがまま、既に妊娠している。日本再入国を当て込む彼と謀って、隣国のトルコへ行き、「結婚」届けを出す事にしたと言う。
さて無事に届けが受理され、やがて彼が日本へ来たとしても、彼女に「妻」としての未来は無い。「妻」といっても第二「妻」である。本国にはイスラム教に則った、第一妻と子供が居る。彼は出稼ぎ活動が終わればそこへ帰る。宗教外の「妻」「子」の価値は、日本での利用価値しかない。
(注)イスラム教父親の神聖な務めは、子供をイスラム教徒に育てる事で、どちらでも良いなどと言う事は、有り得ない。
とは言え、彼女は夢中である。物心付いた頃から押さえ込まれていた女性としての本性を、彼は上手に素早く引き出している。日本女性を現地「妻」にする為の情報も多いが、加えて、彼らは男性としての論理とやり方で、真剣に実行する。残念ながら、一度取り込まれたら、個々の女性には対応して行ける能力が、ほとんど無い。
例五)下川さんは28歳、弟が有り、父親の経営する小さな会社で働いている。彼女はいわゆる「社長の娘」、子どもの頃から自分の考えをはっきり持てと育てられた為か、男性に対しても対等に話をする。
父親は一年半くらい前から、不法在留のケニヤ男性(黒人・30歳位)を雇っている。彼女は彼の境遇に「同情」していたらしいが、やがて親しくなり半年位前から深い仲となった。この関係に父親が気付いて拒絶の姿勢を示したが、彼女も強い意志を示して、黙認・黙許の状態となっている。
彼女は私に対して、彼が優しくて・親切で・態度もはっきりしていて、他の男性と較べられない程に魅力的だと語る。「恋愛」している、「結婚」を決意した女性の気負いが伝わって来る。生身の女性の本性に立ったもの言いである。どうも、彼の動作・表現が新鮮・明瞭であったので、これまでの男性とは違う・すがり切っても大丈夫だと思い込んだらしい。「私は愛されている、信じている」と繰り返す。
彼は彼女へ「先に日本で結婚手続きをしたい、私達の子供が欲しい、少し落ち着いてからケニヤへ行こう」と語っている。彼の高等戦術であるが、彼女も同意している。父親も含めて、彼の隠された意図には思いが及ばないらしい。
ともあれ、彼女をこうまで引き付け、女性そのものにしてしまった、人種の違いなどをものともさせない、彼の主導力は貴重でさえある。
例六)島田さん(33歳)は専門学校を出てから会社へ努め、結婚後も続けていた。前夫とは対等にやり合っていたらしく、浮気を許せず離婚した。子供は居ない。今は実家に戻っており、弟が別に家庭を持った為、両親との三人暮らし。
さて、近くのパキスタン料理の店を手伝っていて、同国の男性(34歳くらい、不法在留中)と知り合い、彼の格好よさにも引かれて、交際を始めた。深い付き合いになってから数ヶ月、今は彼だけで頭がいっぱい。「結婚」を求められたときは、すごく嬉しかった。彼も「離婚」していると聞き、より親しみを持った。今は他の女性と付き合っていないか心配である。
彼がぐんぐん引っ張って行ってくれ、かつ優しくしてくれるので、本当の幸せを感じている。彼が喜んでくれるなら、何でもして上げるつもりだと語る。これ自体は女性本来の・自然の姿であろう。しかし「結婚」を考えるには、自分を見失い過ぎている。
彼は国元の(妻子)に仕送りをしており、貯蓄もしているらしい。交際の費用は主に彼女が出している。彼女には目前の「結婚」生活が有り、彼には先行き国元へ帰ってからの生活設計が有る。
例七)山仲さん(25歳)は大学卒業時から会社へ勤めている。半年位前に友人からアメリカ軍兵士(22歳)を紹介された。それ迄も日本男性と交際したが、どれも気持ち的には中途半端で終わっていた。しかし軽い付き合いという本人の思惑に反して、今回は夢中になる。性交的に取り込まれただけとも言い切れない。
彼女は、ともかく彼が男性の態度でのみ迫って来たと言い、自分が女の子なんだと実感させられたと語る。彼に結婚したいと告げると、彼は即座にOKしている。
彼女の両親が反対している内に、彼は軍務の都合で帰国する。このままでは気持ちが落ち着かないので、彼に連絡を取り、結婚の為、アメリカへ行く予定を立てた。さて、兵士には軽く結婚をして、軽く離婚をする人も確かにいる。離婚後は母子家庭、養育費が送られてこない場合も多い。
以上、身近に有る幾つかの例を挙げて来ました。ここから一般的な方向へ向けて見て行きます。
私たちは恐らく・現在、日本人同士の結婚が難しい状況になっているのだ、と理解した方が良いと思われます。確かに遅くない年齢で、普通に当たり前に結婚して行く、男・女性も数多くいます。しかし「結婚し難さ」を抱えている人々も増加しているのです。
なぜ、本人達の内心の意思や希望に反してまでも、結婚(生活)が難しくなったのでしょうか。理由は幾つも挙げられますが、確実な一つとして、形式的男女平等論の強調と受容を挙げたいと思います。これは既に、知識層だけでなく、広く一般庶民層に迄及んでいるのです。
本質的平等(憲法二十四条)と異なって、形式平等は実に分かり易く・主張し易いのです。例えば厚労省の広告「育児をしない男を父とは呼ばない」は典型でした。家事・育児の均等分担や社会生活場面での均一待遇などは、直ぐに分かる内容です。
この為、特定の方向性を持った人々は、政府・自治体や社会の各分野に対して、「平等」その実「形式的平等」に過ぎないものを、人権や平等などと言って教え込み・受け入れさせる活動を続けています。
この人々は形式的平等の一部として、新たに性的な違いからの自由(ジェンダーフリー)の論を立てています。これは歴史的・文化的に育てられ・受け継がれて来た、両性間の差異に関わる認識や役割の違いなどを全て否定して、両性の違いを出産が可能か否かの様に、生物的な性別だけに限ろうとする虚偽の論です。
なお、風潮としては性的嫌がらせ(セクシャルハラスメント)の論も有ります。これも本来の意味を超えて、女性を女性として扱う事を否定する為の方便に利用しています。(例・女性の前で結婚適齢期の話をしてはいけない)
振り返って見ても、男性と女性それぞれの様相は、時代や社会事情などに因って変化して行くでしょう。しかし、異なる特性・異なる感情や感覚・独自に持つ本性など、つまり男らしさ・女らしさは常に有り続けて、かつ有るのが自然な姿です。これを意図的に否定して、無かったものにしようとすれば、両性双方の感性が異常化して来るのも当然です。
先のこの人々は「らしさ」の喪失を、「女(と男)の解放や平等化だ」などと言っています。しかし生物としての性別、つまり単なる動物化に落とし込められた両性の状態が、正常であるはずは有りません。
現実に日本人が外来人の男らしさ・女らしさに強く引き付けられています。元々この外来人たちは「形式的男女平等」や「らしさ」の否定と、無縁な生活をしていました。日本へ来ても、男性や女性として、全く自然に振舞っています。これに対して、日本の男性や女性は互いに向き合った時、既に植えつけられた・誤まった理屈から離れられないでいます。
しかし本人自身の素直な感性の部分では、これの持つ異常さや奇妙さに気付いて、息苦しさも感じているのでしょう。そこで自分の気分が晴れる相手であったなら、例え相手が得体の知れない外来人であっても、常識さえ忘れて夢中になってしまう様です。
日本人も双方が「らしさ」を大切にして、形式的男女平等論などに惑わされず、各自の特性や素直な感性を生かして行く事が肝要です。これが無ければ、日本人同士では結婚しない・出来ないという事例が、もっと増えて行くでしょう。現在は互いの性差や多様な違いをきちんと認め合った、ごく自然な交わり(本質的男女平等)を回復する事が大切に為っているのです。
とは言え、形式的平等論に立った「男女共同参画基本法」の制定や、若年人口減少に対応しての短絡的な他国民労働力導入論など、状況の困難さも強まっています。本筋を押さえて、正常な結婚と出産の回復へ向けて、本来の男性と女性の関係に立て直す為の努力が、今こそ必要となっているのです。
(注)例一から七は特定の個人を示すものでなく、幾つかの類似した事例から構成したものです。