結婚とフィリ女性から

              フィリピン女性との正常な結婚方法に付いて・・・・・・対話による説明
 

山本・・・今付き合って居るフィリピン女性との、結婚手続きに付いて知りたいんですが。
 (一部省略)
小菅・・・確かに近頃では日本女性との結婚が、風潮的にも難しくなって来て居ます。とは言っても、不法在留のその彼女とは止めた方が賢明です。所でお聞きしますが、貴方はお勤めですか。それとまとまった休みが取れますか。
山・・・YG会社の工場に勤めています。週休二日で、祝日も休みです。それに有給休暇も有りますが、それが?
小・・・そうですか。だったら自分でフィリピンへ行って、お嫁さん探しをして見ましょう。二泊三日か三泊四日位で、年に六〜七回は行けますか。

山・・・大丈夫です。しかし言葉が分りません。
小・・・中学三年生程度の英語力で十分です。心配でしたら、復習して置いて下さい。
山・・・はい、その程度なら出来ます。
小・・・来月行った時に、彼女との事はきれいに整理して、新しい結婚の為に動いて見ませんか。いや、会ったりせず、早めに電話で、結婚出来なく為ったと明確に伝えた方が良いと思います。
山・・・私は彼女との結婚ばかり考えて居ましたから、そう言われても、直ぐには頭の切り替えが出来ません。(少しして)分りました。では、私に出来る方法が有ったら教えて下さい。

小・・・これから話しますので、メモを取って下さい。・・・フィリピンでは身元の確かな普通層(中産層)の家庭から来た娘が働いて居る職場が有ります。身近な所ではきちんとしたホテル、一流レストラン、デパート、銀行、大手旅行会社、役所などです。こうした職場で働いている女性たちは、概ね日本で言う短大卒業、一部の人は高校卒業程度で、二十代が中心です。
山・・・はい。
小・・・ですから多くは未婚者です。既婚者や婚約中の女性も居ますが、少数です。会社側は本人を十分に理解した上で採用して居ますから、身元・身持ちも確りしている者が大半です。もち論この国の中堅的な家庭の娘ですから、躾(しつけ)もきちんとされて居て、キリスト教会の教えも良く守って居ます。
フィリピンでは愛情と結婚が同一ですから、結婚まで生娘なのが普通です。ですから、お金目当てで日本人に近寄って来る事も有りません。親族が安易に出稼ぎ目的で、若い娘を出稼ぎに外国へ送り出す事も有りません。

山・・・それでは近寄り難いじゃないですか。それに私は高校卒業だけです。
小・・・いや、貴方が誠実で真じめに結婚したい気持ちで居るなら、そんな心配は要りません。この階層からも他国民との結婚は多く見られます。
彼女たちも国際結婚に変なこだわりを持って居ません。大半が私立学校育ちですから、世俗的な事を余り知りません。相手に付いては品性とか良心を求めますし、これらを大切にします。ですから貴方の学歴が高卒でも充分です。安心して語り掛けて上げて下さい。

山・・・上手く付き合えるんでしょうか。
小・・・まず先ほど言った様な場所へ行き、彼女たちを良く観察して下さい。その内、自分の気に入った感じの女性が見付かります。自分好みの女性だと思ったら話し掛けて見て下さい。その時に話す事として、ハッキリと交際を申し込み、自分は独身で、私に付いて良く知って欲しいとアピール(意思表示)して下さい。いきなりこんな事を言うと、彼女も驚くでしょうし、多少は女性特有のうそもつくでしょうが、次第に貴方を正面から見る様に為ります。
彼女たちは結婚を前提にして男女交際を考えますから、始めから結婚をを前提にした付き合いが進みます。彼女から結婚を考えて居るのかと質問されたら、貴女と結婚したいと云う自分の気持ちを、ハッキリと伝えて下さい。

山・・・彼女たちは結婚にどんな条件を求めて居るのでしょうか。
小・・・彼女たちは相手が日本人なら学歴を余り気にしません。それよりも落ち付いた常識の有る人を求めて居ます。日本と違って、相手の年齢・容姿・親族との同居などはそれ程問題にして居ません。(山田氏は三五歳) しかし親族との同居を気にしないと言っても、生活感覚や言葉の違いが有りますから、充分な配慮も必要です。
フィリピンでは宗教の規制が無いので、彼女たち自身が選んだ宗派を信仰して居るでしょう。(キャソリック派が多い)
そして彼女たちが結婚相手に求める収入は、日本男性であれば、フィリピン迄来られる程だから、生活力が有ると思って居るので、問題有りません。それより、ヤクザか乱暴な男性だったらと心配します。要は貴方が健康で真じめな優しい人であれば、条件を満たすのです。

山・・・付き合い方はどうすれば良いのですか。
小・・・交際を申し込む時は、日本と同じ様に、彼女もある程度警戒します。貴方を避けようとする場合も有るでしょう。しかしこれは、貴方を拒んで居る訳では無いので、直ぐには諦めずに、正直にハッキリと交際したい気持ちを伝えて下さい。
彼女が二人だけの時間を作ってくれる事はほとんど無いので、友人や親族を交えての交際と為るでしょう。普通は三〜五名での付き合いに為りますから、彼女ばかり気にして、他の人を相手にしない様な事が無い様に注意する。そうすればレストランなどに彼女を誘う事も出来るし、ここでもし彼女が受け入れる様なら、貴方に心を許し始めた事に為ります。

なお、早めに彼女の住所を聞き、手紙や葉書を出して見ましょう。書く内容では、仕事の関係上どの程度フィリピンへ行けるかに付いて、説明して置くと良いでしょう。それと小まめに絵葉書を送ると、親兄弟も喜びます。
もし彼女の両親が貴方に会っても良いと言って来たら、誠実に結婚したいと伝えて下さい。結婚する決断を、彼女は両親・特に父の意向を受けてから出します。ここが日本と違う所でしょう。
山・・・結婚する迄にどれ位の交際期間が必要ですか。
小・・・期間的には半年から一年強です。この間貴方がフィリピンへ五〜十回位行く事になるでしょう。ともかく相手を見付けてから、交際が始まる迄に気苦労はしますが、幾つかの点に注意すれば交際は成功します。
結婚前に彼女側の誰かが、貴方の身元や親族を調査しに来ると思いますが、これも上手に配慮して上げて下さい。

山・・・そんなに自信を持てませんが。
小・・・自信を持って下さい。フィリピン人には日本人への信頼感が有りますから、彼女も親族も貴方が真じめな日本人だと分れば、必ず受け入れると思います。
もっともその前に、一緒に付いて来た友人たちが、彼女に結婚した方が良いとか否とか、助言します。ここいらは女性同士の嫉妬感が少ない様ですね。
山・・・お金とかお土産はどうすれば良いのですか。
小・・・間違っても現金を渡してはいけません。理由も無くお金を出せば、貴方の事を軽く見られてしまいます。レストランなどへ行くとしたら、交通費は各自で出し、食事代は貴方が多めに出して下さい。全員から例え十ペソ(二五円)でも必ず集めましょう。彼女たちは貴方より少ないにせよ、お金を必ず持って居ます。この事を忘れずに、彼女たちから少ない金額でも出してもらった方が、相手も貴方に好意を持ち、対等な感覚で接する事が出来るんです。

フィリピンの普通層の人々は、それぞれに自尊心(外見だけとは違う、自分を立派だと思う気持ち)を持っていますから、この感覚は大切なんです。
お土産の金額ですが、千円以内の物で充分です。これらをを五個程度用意しましょう。数千円もする物などを渡してはいけません。変に高価な物を渡せば、相手から不信と軽べつの気持ちを持たれます。両親へも高価でない日本の良い物(和菓子や台所用品など)を送りましょう。
山・・・フィリピンは治安が悪いと聞きましたが、私の様な日本人でも大丈夫でしょうか。
小・・・金持ちの様に振る舞わなければ、危険も少なく為ります。彼女たちと交際が始まれば、彼女たちも貴方を守ってくれるでしょう。
山・・・結局お金はどの位掛かりますか。
小・・・三泊四日なら総額で十万円有れば足りるでしょう。十五万円掛ければ、観光と食事の贅沢が出来ます。
フィリピンでも結婚に当っては、結婚費用を双方で出し合いますから、フィリピンへ行く旅行費用も含めて、五十万円と掛からないでしょう。無駄使いを止めて、質素にやれば良いのです。

山・・・他に気を付ける事は有りますか。
小・・・日本では中産家庭が多いので気付きませんが、フィリピンははっきりとした階層社会です。現在、日本男性と結婚するフィリピン女性は貧困層出身の人が多く、男性は彼女の親族への送金問題などを抱えて、随分と苦労して居ます。
これ迄貴方に話した事は、中産層出身の女性の場合だと考えて下さい。実際、階層が違うと、彼女たちでさえ互いに理解出来ない程です。
それから、日本人はあいまいな表現が多いから、日本では意味が通じて居ても、外国では通じません。彼女たちへは分かり易く・ハッキリと、充分過ぎる位に話して上げましょう。カラ元気でも良いですから、自信を持って話す事が大切です。
とにかく、貴方の気に入った女性と結婚話を進めるのですから、大いに頑張って下さい。
山・・・分りました。早速、来月から努力します。
小・・・もち論、貴方の選んだ女性と上手く交際出来なかったら、別の相手を探して見て下さい。男女の出会いは縁と相性ですから、前向きに結婚相手を探せば、遠からず、良い家庭を持てますよ。

 三ヵ月後に山本氏から電話が有り、以前付き合って居たフィリピンの彼女とは別れたと言う。氏の勤めて居る会社は、マニラに事務所が有る。しかも知人がそこで働いて居る事も有って、予定通りに現地へ向かった。
 その知人に、自分はフィリピン女性と結婚したいのだと話すと、専門店で働いて居る女性を紹介してくれた。今では彼女と手紙を交換する仲に為って居る。
 このフィリピン女性と結婚する方法は、日本男性とフィリピン女性の数組の夫婦から聞いた話を、私が一つにまとめたものである。彼らは類似した話が他にも有ると語って居る。そこで、この様な話がもっと真じめな日本男性に広まって欲しいと思ったので、ここで取り上げた。当って砕けろ、と言う言葉も有る。フィリピンに限らず、近い他国も多い。真っ当な相手との結婚に向かって、積極的に努力する事をお勧めする。

 本文でも触れて置いたが、結婚の費用は双方が分野別(教会・衣装・パーティ・他)に分けて出す方が良い。具体的には二対八から五対五の間に為る。フィリピンでの結婚費用は安いからと言って、日本側で全ての費用を出す事は、お金を扱う上での常識に外れて居る。
                                 (本文は「不良外国人男女にだまされない本」から取って居ます)



             貢ぎになる場合と自助努力への手助けに付いて
 
 フィリピンなどの貧困層家庭から、日本へ出稼ぎに来ている(来ていた・来ようとしている)女性と、日本男性が結婚(偽装も多い)して、日本で家庭を持った時などに、女性の親族側への送金問題を抱える場合も多い様です。先年の調査よると、送金家庭は八十%以上に及ぶそうです。この為、送金させるのが当たり前だと思っている・苦労せずに暮らしたい親族側と、送金するのが当たり前と思い込まされたかの様な日本男性も、多く見受けられます。ここでは結婚も出稼ぎの一部となっていますから、正常な日・フィリ間の親族関係が成立しません。そこで貢ぎの場合とならずに、自助努力への手助けをする、これに付いて書いて置きます。

 自助努力とは、先ず女性の親族側が真面目に働いて、少なくとも確実に収入を得る事です。毎月で見ても、一定の労働日数・時間に合う何らかの仕事は必ず有りますし、働けます。そしてこの場合、日本男性から見ても、彼ら親族側の収入額の大方は分かって来ます。
 ここで親族側の生活状態から見て、基本的に不足すると思われる部分に付いて、彼らの収入を超えない範囲で手助けします。親族側が明日の労働に備える為の準備をする上での不足分、これを手助けすると言っても良いでしょう。従い、様々な事情はともかく、手助けにも自ずと限度が有ります。(ここに書いたのは同居していない、特殊な事情が無い場合に付いてです)

 通常の場合、資金(物品を含む)の手助け(援助)で、親族側の収入の範囲を超えない事(つまり収入が1.2万円なら手助けも1.2万円まで)が大切です。なお、居住地や事情によっても違いますが、上限は2万円位でしょうか。つまりこの手助けは取り敢えずの不足分を補いながら、今後の生活向上の足掛かりとさせる為のものです。
 なお、特殊な事情の場合は、その必要性が公的に確認されている事(正式な文書=領収書など)も大切です。

 肝要なのは両者・両家が、双方向から普通に親族関係を保てる様になる事です。つまり相手親族側がきちんと自助努力をする、手助けを必要としない様になる、この途中での手助けなのです。貢ぎではない、確かりとした対処をして行きましょう。
 
 (注)ここに書いた事は、実は本当に難しいのです。何故なら、貧しくともまともな家庭の娘(女性)だと、まず日本へ出稼ぎに来ないのです。既に自助努力を続けています。努力はしたくないがお金などは欲しいとの家庭(親族)から、大半の娘(女性)は送り出されて来るのです。国際結婚斡旋業者による結婚も同様です。
 従い、日本男性に取っては送金に付いて女性と争うよりも、お金を貢いだ方が気楽なのも事実です。親族側も喜びますから。日本男性が貢ぐ事を当たり前と思い込む様になるのもこの為です。しかし本筋は自助努力への手助けで、長い目で見るとこれが大切である事に間違いは有りません。この件も常識を保って、慎重・冷静に進めましょう。
 

        
          山田氏の結婚とフィリピンの親族


 山田氏(以下敬称は略、他の人も同じ)は50歳、福島県内のある工業高校を上位の成績で卒業して、ある大手会社に入り、神奈川県内の工場に勤めて、今日に至っている。幸い、収入的にも・休暇的にも余裕が有ったので、旅行(国内・海外)を趣味として来た。
 16年前、マニラ近郊を旅行していた時、ある銀行に立ち寄り、窓口でミンダを見い出した。心に受けるものが有り、結婚を考えた。次の日もお客として行き、ミンダを観察する。支店名と住所・ミンダの名前は分かる。その次の日、「貴女と真剣に交際したい」と書いた紙を渡して(彼はある程度の英語が使える)、にっこりと会釈した。ミンダは怪げんそうであったが、紙を受け取り、その場は別れて、山田は夜に帰国した。
 
 山田はこの後、業務用封筒を用いて、支店気付けで毎週手紙を書いた。また一か月後、再度訪ねて行く。この時は支店でミンダと単なる再会であったが、帰国後、ミンダから手紙が届く。「もらった手紙は皆両親に見せてある、心配しているからもう書かないで欲しい」とある。ただし差し出し住所が書いて有った(両親の所)。
さて山田は15O通ほど手紙・葉書を出し、1O回ほど現地へ行き、様々な曲折は有ったが1か年後にミンダと結婚し、やがて2か月後には妻として日本へ来た。

 結婚と来日用の書類から見ると、ミンダは日本で言う短期大学卒業(小学校から短大まで全て私立学校、英語を13年間学んでいる)、銀行勤務、23歳、3人兄弟・3人姉妹の長女であった。ちなみに中々奇麗な人でもある。

 ミンダの父親のマルセは当時54歳、マニラ市内の大きなホテルで営繕課長を勤めていた。短大卒業後、私立の中等学校で図画工作の教員をしていたが、給料が少ないためホテルへと転職したと言う。実直な人でもある。
 所で、マルセ(末弟)の長兄はかつてアメリカ軍フィリピン人部隊の将校として、日本軍と戦い戦死している。(妻子は優先的にアメリカへ移住した) そこでミンダが日本人と交際していると聞いた、親族の一部が強硬に結婚に反対、三度の親族会議が開かれ、終にマルセが「昔の事に拘わらない。結婚させる」と宣言している。(この親族は結婚式を欠席している) この為、「私の結婚は周りに決められてしまった」と、ミンダは今でも少し不平を漏らしている。
 
 さて、ミンダは日本に来ると、やがてフィリピン女性との知り合いも出来た。話を聞くと、大方の女性は国元の親族へ送金をしている。そこでこれが普通かと思ったミンダは帰国した時、父親に送金を申し出た。すると、「お前は親を乞食(ベッカー)にするのか」ときつく叱られている。世間知らずと言えるが、しかし私立学校・教会の聖歌隊・銀行と言う、垣根のこちら側の生活であったのだから、向こう側を知らなくとも已むを得ないのだろう。今でも彼女たちに対して、つい「それは神様が許さない」と言ってしまうらしい。

 所で、ミンダの母のソレダは小地主の娘、文部省関係へ勤めていた時、マルセと知り合い結婚した。3箇所の土地をもらったので、これを元手に商売を始めたが、直ぐに2箇所を失う。残りは自宅だけなので父が登記書類を預かっている。人の良さ、世間知らずは今も同じで、「今日、夫が病気で困っている妻が来たので、お金を融通して上げた」と言う。所がマルセは「その夫はOOで飲んだ暮れていた」言いため息ををつく。ミンダは母と同質らしい。

 彼女の兄のクーヤは短大を卒業後、看護士となった。マニラの大きな病院に勤務していたが、やはり給料が少ない。呼び寄せてくれる人が有って、サウディアレイビアの病院へ出稼ぎに行った。ここでフィリピンから来ていた看護婦と結婚して2児の父となり、永住資格も得た。やがて彼の一通の手紙にキリスト教徒の両親は愕然となる。クーヤは妻と共にイスラム教徒に成ったと言い、子供も同教徒に育てると言う。両親の取り越し苦労だろうが、今は改宗を諦めて、過激派でないことを祈っているらしい。

 さて、ミンダの2つ年下の妹のイリザはお転ば・活発屋である。平気で男と喧嘩もする。日本の高等学校に当たるを卒業した後、ある会社に勤めながら、お金を貯めたらしい。やがてミンダの卒業証書を用いて、ミンダに成り済まし日本での就学査証を手に入れる。同じく冒険心を抱いていた友人と二人で日本へと出立、日本へ着いてからから親元へ電話を掛けている。親にとっては晴天の霹靂だったらしい。日本では午前中に日本語学校へ通学しながら、午後はレストランで働いていた。さてここへ食事に来ていたある会社の職員が、彼女の気立てが良いのに気付いて、職場の部下の伊東を紹介した。
 イリザの言によれば、恋に落ちたそうであるが、やがて共に暮らす様になる。半年後に妊娠、この頃彼は業務上でメキシコへ赴任が決まる。そこでまとまったお金を渡して伊東は出立、別れてイリザは帰国する。妊娠に両親は驚くが、肝心の伊東からの音信は無い。やがて出産したため、山田氏が連絡に当たる事となる。三重県の伊東の両親に連絡すると、さすが父親で、息子の性格を良く知っていて、丁寧に話を聴いている。この問い合わせで、本当の所を確認する。
 さて1年後、また就学査証を手に入れ、イリザは日本へやって来る。(ミンダは2度の査証の経緯を知らなかったらしい) さて伊東が帰国となり、連絡を受けて山田とイリザは成田空港で伊東を待っていた。それとは知らない伊東は出て来て驚くが、話を聞くと、「両親の元へ一緒に行く」と直ぐに決断する。幾多有ったが、やがて結婚、今は二児の親として愛知に住んでいる。番狂わせか、イリザは教育ママとなり、子供を私立中学校へ入れるため頑張っていた(いる)。

 さて彼女の上の弟のマイケは短大船員科を卒業して、海外航路の船員になった。やがて知人の所で家事手伝いをしていた女性のマリナ(料理が上手い)と結婚、二児の父となる。マリナが寂しいだろうと、実家の近くに住まわせ、収入から送金していた。さて充分に送っている筈なのに、マイケが帰宅すると、何時もマリナは無金状態である。よく問い質して見ると、送金が有る頃をを見計らって、父や母などがやって来て半分以上を無心して持って行ってしまう。前の仕事(不定期収入だったが)を止めて、毎日を遊び暮らしているらしい。ともあれこのままでは、先行きの生活設計も出来ない。とは言え、注意してどうなるものでもない。(これはフィリピン貧困層社会では、普通に見られる事で、日本男性が仕送りで苦労しているのと同じ状況である)
 そこでマイケは実家が改・増築したのをきっかけに、妻子を実家内に住まわせる様にした。実家は敷地を確りと囲って有り、正門からしか出入り出来ない。またお金の管理も改善して、銀行も介するようにした。これでマリナの父母などへも安易・無用なお金が流れなく為り、家計も安定して来る。マリナは前の状態が良かったとは思って居なかったらしく、今は新しい生活になじんでいる。所でマリナは小学校卒業のみであるが教育に熱心で、かつ子供は極めて優秀らしく、小学校で二人とも飛び級をしている。

 余談だが、ある日ミンダが「近く従兄弟のチャリが日本へ留学して来る」と言う。「学費が大変だろう」と言うと、「日本政府(文科省)の国費留学生だ」と言う。国内各地の大学から推薦され、25倍の論文試験(英文)を経て選ばれたらしい。来日後1年間の日本語学習を行い、現在は京都大学理学部(院)に在学している。子供の頃から勉強熱心だったそうだが、努力すれば道は開かれて居るのだろう。

 彼女の下の弟のチートは短大電気科を卒業して、電設会社に就職した。やがて30歳前に退職、電設工事士の資格を持って、同業組合に入り、電設工事業を始めた。事務所や家庭に電話やコンピュータを配備する仕事で、時代の要請にも合って居る様で、仕事は順調に進んでいると言う。直ぐに実家の敷地内に自宅の建設を始める。一部分ずつ進めたので、完成まで4年掛かっている。
 先に彼は出入りしていた電材部品屋の娘のセリナと親しくなり、やがて結婚する。フィリピンでは少数の普通(中間)層家庭の娘の様だが、ともあれ全く苦労知らずに育ったらしく、実に善良でにこやかな人であるらしい。ミンダとは直ぐに親しくなる。2児が有る。
 
 現在でミンダのの実家は、敷地内に父と母、上の弟の妻子3人、下の弟一家の4人、住み込み手伝い女性1人の10人暮らし、中々賑やかな世帯と成って居るそうである。
 さて、マルセは65歳で完全に退職、年金生活に入る。暇なのでソレダと子豚の飼育をしている。(豚舎は掃除のしすぎであるとか) 所で、この二つからの収入はやはり少ない。退職に当たり子供たちは一つの取り決めをした。クーヤとミンダとイリザは一人で毎月1万円位、合わせて年間で36万円位を送る。マイケとチートは具体的な生活の面倒を見る。これ等は無理な条件でないので、親族間の現状は上手く行っているそうである。

 とは言え、全てが順調ではない。一番下のアリカはやはり甘やかされた為か、マニラの親族宅に一時住んで居たが、帰って来ると、結婚したいと言い出した。父母が男に会って見たが、これはまずいと思う。単に貧困なだけでなく、生活にも荒み方を感じる。反対したが、親や兄姉の言葉に耳を傾けない。止むを得ず結婚をさせる。費用の大半をアリカ側が出した。
 夫はやはり真ともに働かず、妻を通してお金を何度も求めて来る。ここで止むを得ず、親族が話し合って、お金を渡さないと決める。万一の事を考えて、警察とも連絡を取った。ここに到り、夫はもうお金が当てに為らないと思ったのか、アリカと一子を連れて、実家のある別の都市へ去って行った。今はアリカが子と共に、年に一〜二度訪ねて来るだけとなっている。