欠陥DV法の乱用(3)(外来人関係)

               日本人を陥れるDV法の現実
                                                            ’04年9月25日

 ’04年4月、国際困り事相談(筆者主宰)に青海県(以下、地名・人名は仮名、数字などは若干変更してある)の山本和夫(42歳)から相談が有った。内容はフィリピン妻のマリナ・リンダ(’67年6月生?)が子供の太郎(4歳)を連れて家出をして、行方が分からない。加えて、家事調停申立書と保護命令申立書の写しが、裁判所から送られて来て困っている、と言うものであった。
 なお同じ頃、マリナを支援していると告げる者から山本に、申立書の案件をこのまま受け入れる様にとの電話要請もあった。支援しているのは弁護士を含む団体であるらしい。なお申立書の形式・文章が整っている所から、記載は団体内の人によると思われた。
 筆者はこの相談を受けた時点から、思いがけずも「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(ドメスティック・ヴァイオレンス=DV防止法)の現実・現状に関わる事となった。

 さて、前者は離婚等に関する青海家庭裁判所への離婚調停申立である。後者の「配偶者暴力に関する保護命令申立書」は青海地方裁判所に出されたものである。
 後者申立書の内容は、趣旨として、「6ヶ月間、マリナの居所する所その他の場所において同女の身辺に付きまとい、又は同女の勤務先その他、通常所在する場所をはいかいしてはならない」とするものであった。
 
 申立の理由等としては、先ず、山本から暴力を受けた状況が順次書かれている。
 ・マリナ(以下は私)は’90年末にタレントとして来日した。’91年5月日本人プロモーターの子供(第二子のアキコ。本年12歳)を出産した。アキコは入籍されずに無国籍、現在はフィリピンの私の実家で生活している。
 ・’97年5月にアキコを連れて、山本(以下は夫)と結婚した。’99年12月に太郎(第三子)を出産した。
 ・夫は結婚当初から暴力的で、当初首都圏に住んでいたが、金融関係(サラ金など)の取り立て屋をしており、暴力団関係でもあり、お金が絡んでやばいから逃げるのだと、青海県田中町に来た。
 ・こちらへ来てからは覚せい剤疑惑もあり、私も夫の注射器を見た事が有る。夫の母親も同居だったが、二人は働かず酒ばかり飲んで、飲むと夫と姑はアキコにも暴力・虐待が始まる。私が止めると、暴力は私に向かって来る。殆んど毎日の様に暴力で、突然キレた様に殴る・蹴る、タバコやライターで火を付けられて顔や腕に火傷もした。アキコも私も何時も同じ暴力を受けていた。’01年頃アキコの事で、虐待と思い、児童相談所へ相談にも行った。
 
 ・一番大きな暴力は'01年3月26日で、私は青海市内(のお店)で働いていた(昼間は工場へ勤めて、夜も働けと夫の母に言われた)。午前0時過ぎ頃仕事が終わって玄関を出ようとしたら、待ち伏せしていた夫が突然キレた様に、私に殴り掛かり、足蹴りされて首を絞められ、意識が朦朧(もうろう)となった。周りの人は止めたが、夫は幻覚の様で、自分でもなぜ暴力するのか分からない様だった。近くの交番から警察官が来て、青海西警察署経由で救急車で青海南総合病院へ運ばれ治療を受けた。
 (以下は診断書の全文である・・・病名は腹部打撲。診断として、夫婦喧嘩にて夫に頭部、腹部などを殴られた。上記病名にて同日から約3日間の安静を要す見込みである。)
 ・その他にも殴られる、火を付けられて火傷、アザだらけとたくさんケガをしている。その度に木原内科へも治療にかかった事が有る。そして、何度か友達を頼って逃げ出したが、何時も口の上手い夫に騙されて連れ戻された。
 
 次に、今後も暴力を受ける恐れがある事情と、他の機関への相談の事情が書かれている。
 ・過去5回夫から逃げたが、毎回見付けられて連れ戻された。何時も友達の所へ逃げていたので、口の上手い夫が友達を騙して連れ戻された。やっと今回安全な所へ逃げられた。また見付かったら、今度は殺されると思う。今までも連れ戻されたら、その前以上の暴力を受けている。
 ・前記の様に、深夜青海南総合病院に行き、治療を受けた。翌日の27日、青海男女共同参画センター「ウィズセンター」へ夫からの暴力に付いて相談をした。

 申立書にはマリナの陳述書が付属している。両者の重ならない部分に付いて記載する。
 ・私はフィリピン生まれ、同国籍である。
 ・夫は直ぐキレる様で、外でも人前でも殴りかかる。酒を飲んだらひどい。
 ・こちらへ移って来て、夫の母親のところで5人が同居した。
 ・夫はこちらでも職を転々として、長続きしない。現在は夫・姑共に無職だ。私に働けと言われ、昼間は工場、夜は青海の店で働いた。私の健康保険に夫・姑・太郎を扶養家族とした。
 ・私が夜働いて家計をまかなっていたが、夫は嫉妬心が強く、私が仕事を終えるまで店先で待って居たりして、出て来た所をいきなり殴られたり、蹴られたり、タバコの火を身体に押し付けられて火傷をした事も有る。所で暴力は殆んど毎日だったので、何時何所の病院へ行ったのか覚えていないが、多くの所へ行った。木原内科、青海南総合病院などです。

 ・一番記憶に大きいのは’01年3月・・・・・・・(以下、上記と同じ説明が続く)。
 ・'01年末、アキコへの虐待が余りにも酷いので、青海児童相談所へも行った。アキコはこのまま日本に居たら夫と姑に殺されるからフィリピンへ帰りたいと言い、'03年秋に私の実家へ帰った。
 ・'02年4月5日、家族でフィリピンの実家に帰った。この時、夫は現地で8日覚せい剤所持で逮捕されたが、私の母が1,2万ペソ(3万円位)払って12日に保釈された。この件は新聞にも書かれたが、夫の覚せい剤に付いて私も目撃し、心配している。
 ・これまで何度も逃げたが、何時も夫の口の上手さで連れ戻された。このままでは逃げられないと思い、某国際交流協会へ電話をした。そこで助言をもらい今回やっと安全に逃げる事が出来た。
 ・次回夫に捕まったら、きっと私は殺されるのではないかと心配だ。夫が私を追い駆けない様にとの裁判官の判断をお願いする。
 ・私が望む事は、1)夫と離婚する事、2)太郎の親権は私にする事、3)慰謝料、養育費の支払いに付いて解決する事である。

 筆者はこの二書を読んで暗い気持ちになった。ここには出稼ぎ結婚(出稼ぎ・仕送りを目的や前提にした結婚で、婚後も夫やお店などから稼いで、親族側へ金品を送り続ける)をしたフィリピン女性たち特有のうそ・偽りが多様に有る。加えてこの団体・人々が日本の行政・社会・一般の人々を批判する為に、この手の外来女性(男性)を利用・支援すると言う、反日的な性格もよく示されている。従って、二者からは事実の正しさや物事に対する公正さなどに付いて何ら配慮されていない。

 そこで筆者は山本の申告に基づいて「・・・・保護命令申立書に対する意議申立書」を書いて、青海地裁に提出してもらった。以下はこの内容である。
 ・「結婚している夫婦」とあるが、マリナに結婚資格が有ったかどうか疑問である。第一子に付いてから見ると、自国でフィリピン男性と結婚して、現在は別居中と考える必要がある。
 ・「’90年末来日した」とあるが、旅券と査証が本物であったかどうか疑問である。この後で不法在留した所から見ると、上記を含めて、不正書類を使用した事が充分に考えられる。
 ・フィリピンでも未婚の母は異常である。なお’91年5月出産となると、同国内で妊娠したと考えられるが、プロモーターとの関わりは不明である。参考として見ると、アキコに付いてマンダル市役所の出生証明書では、母がジュリー・アレナス、父がフミオ・ハラシマと為っている。しかし教会の証明書では母がマリナ・リンダ、父が不明と為っており、当初から偽造書類を用いていた事実が分かる。
 ・「(日本の)戸籍に入れてもらえず無国籍」は偽りである。母に従ってフィリピン国籍を取得しており、旅券も有る。(注:所で、この「無国籍」云々は反日的な人々が日本人や行政を批判する時の常とう句(例えば、日本人なのに国籍も与えられず、など)となっている。
 ・「 ’97年5月・・・山本と結婚」とあるが、結婚への進め方も同国での正常な方式と大きく異なる。無資格のまま不正書類を用いた可能性が大きい。

 ・「夫は結婚当初から暴力的」とあるが事実に反する。暴力に至った事は数回のみで、それも程度の弱いもので、世間の夫と大きな差は無い。
 ・「金融関係の取り立て屋」とあるが、彼は違法行為をしていない。「暴力団関係でもあり」とあるが、もちろん暴力団関係者でもない。
 ・「お金が絡んでやばいから」青海に来たと言うのも事実と異なり、彼女の作り話である。会社業績不振により解雇された(わずかだが退職金も出た)のである。
 ・「覚せい剤疑惑もあり、私も夫の注射器を見た」も作り話である。出元は彼が「若い頃に覚せい剤で事件を起こした事がある」と語った所であり、彼女がこれを現在に置き換えたものである。
 ・「二人は働かず」とあるが、失業中の期間は主として彼の雇用保険等と母親の持ち金によって生活していた。なお彼女の働けなかった期間も含めて考えると、生活総支出金は彼女の出した部分より、前二者の方が大きい。
 ・「お酒ばかり飲んで」とあるが、当然、彼はアルコール中毒でも、酒乱でもなく、正常である。
 、「夫と姑はアキコにも暴力・虐待」とあるが、事実に反する。ちなみに姑は障害者(3級)であり、元気な子供をどうこう出来る体力も無い。所でアキコは新しく来た子供なので、彼や姑との間に釈然としない事があっても不思議ではない。
 
 ・従い「止めると、暴力は私に向かって来る」も語るに落ちた作り話である。
 ・「毎日のように暴力で、突然キレた様に」も「顔や腕に火傷もした」も作り話である。彼はこの様な粗暴・凶暴な人物ではなく、平凡人である。
 ・「虐待と思い児童相談所に」も事実と異なる。記録を見て頂けると分かる様に、学校や家庭に馴染めなかった為の相談である。
 ・「一番大きな暴力は’01年3月26日で」と有るが、これは彼が彼女を迎えに行っていた時であり、彼も彼女の帰宅の仕方に大きな不満が有っての上である。なお「足蹴りにされて首を絞められ」とあるが、診断書の通り、殴ったのみであり、かつ強力なものではない。実際に外傷も無く、レントゲン診断も無く、念のために三日間安静にしている様にと言われているのみである。これが一番大きな暴力の実態である。(出稼ぎに来ている彼女たちが、わざと大きく騒ぎ立てた例は他にも有る)

 ・「夫は幻覚のようで」は先の覚せい剤にかこ付けた作り話である。なおここでフィリピンでの件を追加すると、これは彼からお金を引き出す為に、彼女側親族と警察官が仕組んだものと思われる。現地でこの様な犯罪の作り上げは珍しくない。無論、後日、お金を得て無かった事にする。(もし覚せい剤でこれ程に表ざたと為れば、4〜5日では釈放されない)
 ・「何時も口の上手い夫に騙されて」とあるが、何時も虚偽を言い続けるのは彼女の方で、その言葉にこそ信憑性が無い。
 ・「今度は殺される」とあるが、彼に若干の粗暴な言動は有ったが、この様に思わしめる様な凶暴な言動は無い。

 以下、陳述書に付いて、
 ・外でも、人前でも殴り掛かりと有るが、これは前記の一回のみである。当然に他での目撃者はいない。
 ・「夫はこちらでも職を転々として」も「現在は・・・無職だ」も作り話であるし、簡単に証明出来る。
 ・「火傷、アザだらけ」も、「出て来た所をいきなり殴られたり・・・」も、多くの医院などへ行ったも、「アキコは・・・夫と姑に殺されるから」も、ただ書いてあるだけの作り話である。なお、問い合わせに付いて、木原内科は回答せず、森木病院内科はアキコを診察しているが、妻子ともに外科での診察記録は無い、佐野内科も外科的な診察をしていない。
 
 なお末尾の要望に関しては、
 ・離婚に付いては、彼も調停申立書を受け取った時点で同意している。従がって彼女を追い掛ける様な理由も無い。
 ・太郎の親権に付いては、彼女の在留資格取得が目的であるから同意出来ない。子供を早急に父親の元へ返す事。
 ・慰謝料・養育費などは、今後も彼からお金を引き出す為の手段であるから同意出来ない。

 最後に付言すると、
 ・山本は結婚当初から、多額のお金をマリナの親族側に送金したり、騙し取られたりしている。解雇前は収入も大きかったが、現在はマリナの収入を合わせてもかつてに及ばない。従い彼にこの送金などの余裕が無い。このため彼女が彼を見限り、別れると決め、後日の利益を確保する目的でこの様な申し立てを行なっていると考えられる。フィリピン貧困層社会出身者には普通に見られる行動である。
 ・筆者も彼の審判に同席して、彼を補佐したい。この為の配慮を要請する。

 さて、5月初めの審尋当日は山本とマリナ側代理人弁護士(本人の出欠席は不明)が裁判官の聞き取りを受けた。内容は双方の文書に関する簡単な質問だけだったと言う。やがて同月半ばに青海地方裁判所から山本に対し、保護命令書が送達された。内容はマリナ側の申立書の内容と全く同じものである。しかし実情は彼女が太郎を連れて家出をしており、実質はこの文面に無い事柄=彼と子供を6ヶ月間引き離して置く、彼の父親としての活動を一切拒否するものと為っている。無論、二人は支援団体によって隠匿されているものと思われる。
 
 彼はこの命令に同意出来ず、取り消しを求めて、春山高等裁判所へ即時抗告を申し立てる事とした。
 そこで彼は知人により松本弁護士の紹介を受けた。しかし松本はこのDV法適用の実情を知っていたらしく、依頼を断っている。ただし彼に同情して、好意で抗告状を書いて渡してくれた。なお筆者を補佐人する事も再度要望した。

 抗告の理由としては
 ・先に青海地裁に出した「意義申立書」は全て事実を書いたものである。
 ・3月26日の件は彼も反省している。なお、マリナ側が新たに出して来た’04年3月に、彼女へ「扇風機を投げつけ」たという事実は全く無い。この様な危害を与える生活を送って来ていない。
 ・彼女は一時期、昼間はパートとして働き、金・土は夜にお店(酒場)で働いていた。合わせて12・3万円の収入だったので、昼間だけの勤務を勧めた事は有る。なお今回の家出時は夜の勤務だけであった。
 ・彼女は過去に5回位家を出て行った事がある。子供を連れて行ったのは児童相談所と中野県の従姉妹の所と、島名県の友達の所で、前者は普通に帰って来たが、後二者は迎えに来て欲しいとの連絡が有り、彼が出向いている。他の2回の場合は一人で出て行き、数日後に帰って来ている。口車に乗せて連れ戻したことはない。
 ・彼女が必要としている事は「今後も暴力を受ける恐れ」の排除では無く、離婚に関わる事柄を有利に運ぶ事だと思われる。

 やがて6月初めに山本とマリナ側弁護士が出席して審尋が行なわれ、同月半ばには春山高裁から、山本の抗告を棄却するとの決定通知書が送られて来た。
 理由としては
 ・山本の主張は、意義申立書と抗告状に書かれた通りであって、保護命令を発する要件は無いと言うものである。しかし、
 ・いわゆる’01年3月26日の事件は、診断書も有り、(待ち伏せしていた夫が突然キレた様にでは無く)彼の元に帰らないと言った事から彼女と言い争いになり、彼が暴力行為に到ったものと認定する。
 ・彼女は同月29日、配偶者暴力相談支援センター(青海県男女共同参画推進センター)を尋ね、彼の暴力に付いて相談し、その後も2回に渡り電話で相談した(筈である)。(注:彼へは相談の事実が証明されていない)
 ・彼女は彼から日常的に暴力を振るわれ、現在まで5回に渡り家出をしたが、その都度彼に居場所を知られ、彼宅に連れ戻されたと(証拠や証言は無いが)認定する。
 ・上記’04年3月の件も、お金の事などで言い合いをした際、扇風機を投げつけたと、(証拠は無いが)認定する。

 ・彼女は同月16日、太郎を連れて彼宅を出て、(どの様な性格の団体かは分らないが、ともかく)民間の支援団体を頼り、その保護を受けている(筈である)。
 ・彼の審尋における供述では、これまで彼女が数回に渡り家出をした理由をよく分からず、今回も彼宅から突然いなくなった理由、本件を申し立てた理由に付いても心当たりが無いとするなど、曖昧である。しかしマリナ側の各陳述書と審尋における供述は、彼の供述よりも、(証拠や証言は無いが、何と無く)合理的であって信用出来る。従って彼の供述や主張を採用しない。
 
 (注:私が補佐人を申し出た理由は、一般の日本人が日本へ出稼ぎに来ている彼女たち(親族や仲間を含む)の、考え方や結び付きや行動の仕方を理解するのは極めて難しい事、今回の件は支援団体によって既にお膳立てが出来上がっていると思われた事、にあった。この所に付いては一緒に暮らして居たとは言え、山本の話も実に無知・曖昧=良く分かっていない、と言うよりもこの様な深い裏の事情の有る国際結婚に付いて思考停止に為っている、と筆者にも思わされた。尤もこの様な事例は他でもよく見られるものだが)
 (注:それにしても素人の供述と弁護士の供述を比べて、曖昧と合理的とに分けるのも、無理が過ぎていると言えよう)
 
 ・(ともかく確認し得たのは一件だけであるが、既に)彼が彼女に度々暴力を振るって居るとの認定は済んでいる。
 ・(ともかく曖昧・不正確ではあるが)現在も彼女と太郎の所在を突き止めようとしている事が窺がわれる。よって彼女の元を訪れて、彼女の身体に重大な危害を加える恐れが(「大きい」か小さいかはさて置き)有ると、認められる(ものとする)。
 (注:「太郎の所在を突き止めようとしている事が窺がわれ」ると有るが、連れ去られた子供を案じない親が居るのだろうか。この裁判官は三人共に男性であるが、父親の情に付いても、もっと思いを致すべきである)
 (注:上記の( )内は決定通知書正文に対する筆者の追記である)
 
 ともあれ裁判はここで終わっている。さて先へ進む前に、関連する事件を一つ取り上げて見る。
 
 富原県に住む柿山(38歳・会社職員)は国際結婚斡旋業者の紹介で、昨年、中華女性のコウレイ(23歳)と結婚した。来日前はにこやかであったが、来日・同居すると態度が一変した。夜の生活は避妊した3回のみ、家事は自分の食事作りだけ、電話を掛け放題、時々黙って外出する、お金を渡すと直ぐに使い切るらしい、などが続く。初めは日本に慣れていないから、言葉が分らないからと思っていたが、やはりおかしい・変だと思うようになる。言い合いもどきが始まり、60日位過ぎに思わず手を出してしまう。彼女は当たり所が悪く、軽い怪我をした。次の日、彼女は柿山の不在中に、現金と金目の物を持ち出して家出をする。そこで彼も騙されたと気付き、警察に届け出たが、同情はされても、夫婦の問題として、相手にされない。業者も夫婦の問題に為っているとして不実な対応をするのみである。

 所で30日位後に裁判所から彼に書類が届く。内容は彼女が矢口弁護士を立てて訴えたとの事。離婚をする、何度もの暴力によって離婚に至ったので慰謝料250万円を請求する(先の件の診断書が有る)、彼が彼女に近付いてはいけないとするDV法上での申し立て、などである。
 さて筆者も彼の相談からであるが、1)結婚手続きは安上がりを考えて自国で正規の書類を使ったらしい、2)彼女は暴力を受けているとの証拠を求めていた、3)業者もある程度は裏の事情を知っていたらしい、3)同類の中華人が仲間として助け合っている(先の電話と外出)、4)この弁護士は女権主義や左よく的な活動で知られている人、5)彼女には支援団体が付いているらしい、などが見えて来る。
 
 彼は相談の前に、事件を元木弁護士に依頼していた。元木は慰謝料の減額を図るしか方法が無いと言う。そこで彼は相当に絶望している。筆者も言葉以上に何らかの手助けをしたかったが、如何んせん富原県は遠く、思うに任せない。うかつに結婚を希望したからとは言え、業者・不良外来人・この手の支援集団に揉みくちゃにされ、DV法のために身動きも取れないなど、余りにも不幸であり過ぎよう。

 さて話を元に戻す。実は筆者は青海地裁での審尋の日、書記官に指定されて、所内の控え室に居た。呼び出しを受けて審尋室へ行くと、既に裁判官は居ず、書記官2名と山本が居て、待っている。書記官は一冊の本を持ち出して、この本をもとに筆者へ説明する様にと裁判官から指示された、と言う。本は「詳解DV(ドメスティック・バイオレンス)防止法」(監修:南野知恵子・小宮山洋子・大森礼子・林紀子・福島瑞穂・堂本暁子)(ぎょうせい社刊)である。六名は全て女性権利拡張(女権)派の現・前国会議員である。この本は詳解と有るが、三分の一は政治的宣伝文書となっている。さて本は裁判官によって各所に線が引かれており、書記官はここに沿って、筆者へ説明した。

 強調されたのは84・85頁で、「保護命令 第十条 被害者が更なる配偶者からの暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は・・・命ずる・・・」と有る。分かり易く書き直すと、”保護命令は妻が将来に於いて、更なる夫からの暴力(生命又は身体に危害を及ぼす全てのもの=暴行又は傷害に当たる様な行為)により、その生命又は身体に重大な危害を受ける恐れが大きい(多大に有る)時に、裁判所から発せられる”となる。
 (注:先に見て来た通り、山本は「最大の暴力」の際にも、「重大な危害」を与えていない)
 (注:この法律では、暴行や傷害の意味範囲が広く、「重大な」もその意味合いはかなり不明確である。拡大解釈の余地も多くなる)

 上記での要点は「恐れが大きい」の扱い方にある。無論、山本には恐れが殆んど無い。しかし、現実的に、一回でも実態としての暴力が確認されていれば、何らかの恐れが有る(絶無では無い)とされる。従って保護命令を出さざるを得ない。何故なら、もし万が一に次の暴力による 「重大な」危害が起きてしまったなら、裁判所(裁判官)の責任まで問われる。それ故、ここで「大きい」・小さいは用語として無意味・無力である。(注:上の高裁決定は無視している)
 本件の場合でも、上記の通りであるから、その他の暴力や家出の事情などに付いて、証拠や客観的な証言などに立って検討して行く、などの必要性も無くなっている。つまり一般の裁判とは大幅に異なっているのだ。日本の法体系や良識にそぐわないものであるとしても、何とも止むを得ない。
 説明は概ねこの様なものであったので、確かに裁判官本人が話す訳には行かない、書記官をして話させる内容であろうと、筆者も理解した。
 
 (上を分かり易く書き直すとこうなる。・・・田山は身近な一人にしょっちゅう交通事故を起こしていると言われている。しかし実際に確認されたのは一件のみである。まあ次の事故の恐れは小さい。しかし、一度でも事故を起こしている以上、今後に重大な事故を起こす恐れが有る・絶無では無い筈だ。もし万が一に起こして仕舞ったなら、私たちの責任も問われるだろう。ここでは何はともあれ、田山に運転禁止を申し渡すべきである。もう詳しい理屈を言うのは止めて置こう。しかし、やはり心残りだなあ)

 (注)とは言え、法律の条文からも逸脱した、違法な保護命令を出した、裁判官たちの責任は極めて大きい。10条に「重大な危害」「恐れが大きい」と有るのは、配偶者が凶悪・粗暴・一方的な場合を想定している。一般的な夫婦間で普通に生じる様な暴力に付いてでは無い。従い本件でも、不当な保護命令請求を退ける事が裁判官の本来の職責であった。今後、この様な違法かつ安易な命令を出さない事を、特定な人々の活動に動かされない事を、強く要請・忠告せざるをい得ない。
 
ここにはDV防止法の深い闇が有り、悪用する者に取っての凶器ともなっている。特定の偏向した意思によって作られたこの法律の弊害そのものが、夫婦・親子などの家庭生活をより困難な・歪んだものにして行く。健全な男女関係や家庭・家族を守る為にも、女権主義や左よく主義に立って作られたこの法律の欠陥を無視してはならないし、より強力化しようとする動きも押し止めなければならない。既に社会的にも重要な課題の一つと為っている。

 ともあれ山本は無法・理不尽な扱いを受けて、親子関係を切断されたままに置かれている。太郎は母よりも祖母の方になついていたと言われるが、まだ小さい。親の顔でも忘れる。マリナにとっては在留資格を得るために、子供を手放す訳にはいかない。とは言え、今もお店で夜の仕事を続けている筈だから、誰かが養育している事になる。6ヶ月以上の異常な空白が、子供にどの様な悪影響もたらすか、何とも計り難い。残念である。

                              (注:本論で用いた正本の複写は筆者の手元に保管されている)

 (お知らせ) このDV法利用による、男性側(と女性側の)被害者が多数出て来ています。被害者本人、被害に遭いそうな人、被害者を知っている人は、野牧雅子氏(DV防止法犠牲家族支援の会代表・・・この氏名でWSを引き出せます) constanze@diamond.biglobe.ne.jp 、又は当方 へご連絡下さい。更なる被害防止に必ず役立つと思われます。(このDV法利用者の背後には、偏向した個人・団体=旧左翼・女権派・利権屋などが付いている場合も多く、男性本人では対処仕切れないと思われます)